「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」を久々の映画館で見てきました。
これぞウェスアンダーソンという映画でした。最初のワンシーンから彼の作品だと一発でわかるフランス人もうなる映像センスだと思います。
色彩感覚が豊かでおしゃれな作品が好きな人。ユーモアが好きな人はぜひ劇場で見てください。
予告編を見て面白そうだと思う人は合うと思います。
知っておくと楽しいこと
雑誌社の舞台はニューヨークですが、映像の舞台は1960年代のフランス。ということで、1960年代について少し知っておくとまた楽しいです。
抽象芸術
抽象芸術は、セザンヌやピカソのように形を崩すものが1900年代から始まります。そして、1930年ぐらいから形がなくなり色のわけだけのやつが始まったりします。1950年台からインクたらしたりするのが始まります。
そんな抽象画がある程度整ったぐらいの時代の作品ですね。
政治運動
1960年代は、第二次大戦のにおいが残りつつも若者は、ベトナム戦争に反対し学生運動などと言って、暴れまくります。反対するのがかっこいいと思うのは、世界共通です。
プラス、フランス人は、議論が大好きな国民性です。フランス革命の国でもありますしそのあたりも抑えておくと理解がしやすいです。
こんな風に楽しんでみてわどうか。
難しい話が苦手な人へ
とにかく話の情報量が多いです。難しいこと言っているけど、結局普通なことを言っています。少し距離を置いて、身近な恋愛や家族と言った視点で見るのと、色彩感覚で見てはいかがでしょうか。
私なりの感想(ネタバレあり)
チャップリン的な視点
とにかく、抽象画も学生運動もやっている人は、真剣なんでしょうが、ちゃんと勉強するとツッコミどころが満載です。そういったところを皮肉りつつも、身近なところにドラマがあることを示しているように見えます。
情報量多すぎ
会話の情報量が多すぎて途中で疲れてしまいました。感覚的には、学生運動って言って真剣にやっている風だけど、みんなちっちゃな人間だよね。どうせ、社会に戻るつもりなんでしょぷぷっていうところが、共感できます。
編集長とは何なのか
個人的には、最後で結構感動しました。編集長について最後にみんなで語るところで、履歴書的な話しか出てこない。雑誌という媒体を作った編集長その人が、プラットフォームとなって、記者一人一人の人生が記事となって雑誌が出来上がっている。そんな人たちに看取られて、人生の構造そのものが雑誌のようになっている。そんな風にみたら、とてもいい気分で帰ることができました。
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