2.43 清陰高校バレー部 考察【ネタバレあり】

概要

 2.43 清陰高校バレー部(以下清陰)について語ってみたいと思う。まず、作品の簡単な紹介、次に感想。その後考察。感想からはネタバレになるので、まだ見てないのであれば紹介だけ見て判断してほしい。
 それとは別にOPだけ見てほしい、これは文句なくカッコいい。

作品紹介

あらすじ

 福井県の弱小高校バレー部の話。主人公の灰島はバレーボールの天才セッターだが、その行き過ぎた熱意と言動でまわりとうまくいかず、幼少に住んでいた福井に引っ越してくる。そこに当時の幼馴染の黒羽と弱小バレー部で春高を目指す話。

キャラクターの紹介

 主人公は、ハイキューでいう影山が主人公だ。性格なども似ていて、自分の天才性プラスバレーが好きすぎて、まわりにも厳しく、それが理由で疎まれることが多い。頭は切れるが人に対しては馬鹿そういうタイプの人間だ。
 その相手役は、ぽやっとしていて才能を無駄遣いしている、優しい青年。他の人は理解できないが、灰島をよく理解して支え、本音がいいあえるキャラクター。
重要なキャラクターとしては、運動神経はあるがバレーの才能に恵まれない、主将。これが主要なキャラクター。

こんな人におすすめ

 少女漫画のにおいのする設定、必殺技とかそういうことではなく、あくまで人間ドラマの一巻としてスポーツがある。そんな落ち着いた作品が好きな人にはおすすめの作品です。

作品の質

 作画は平均点以上、人間ドラマも平均的以上と、平均よりも高いところにある良策と言えると思う。キャラクターは少し弱く、シナリオは原作があるので、アニメのせいかわからないが少し弱い。

感想【若干のネタバレあり】

 そこそこ面白い。ただ、どうやってもハイキューとされて、アニメということで言うならハイキューの方が随分良い作品である。
 とにかくこの作品は、小説原作でうまく言っている方だと思う。その一番が人間関係だ、一般の作品よりも丁寧で見てて安心する。福井の田舎というのも意識できてとてもいい、ここまで現代の若者が方言なのかとちょっと違和感もあるがまあご愛嬌だろう。例として、黒羽のいとこが田舎ヤンキーっぽくて、チンピラみたいな闇を抱えているところがとても良い。灰島にもそういった感情の動きやトラウマがあるのもよい。しかし、そのトラウマは簡単に解消するし、田舎ヤンキーの話も何も消化されないまま、流れてしまう。見せるなら出すべきだし、こういったドラマ部分が中途半端だ。
 そして、前述のとおり、ハイキューと比較される。比較されるのはあたり前というか、パクリとしか言えないレベルだ。それについては、次項の考察で語ろうと思う。
 そして、作画が6年前のハイキューと比べても、本当にいまいちだ。まず、物理的現象物体がなにかに当たったときの反動が見られない。早いバレーボールのカットで距離感がおかしくなる。時折、ハイキューで使っていた作画を使っているので浮く。など作画レベルでは、だめなところが結構多い。

考察 【ネタバレ有】

・作品の構造
とにかくこの作品はハイキューのパクリとしか言えない構造を持っていますので、そのあたりを考えてみます。
左側 清陰 右側 ハイキュー
舞台 福井←→宮城
部活 バレー部←→バレー部
キャラクター 灰島←→影山
       黒羽←→日向
 主人公達が1年生で、弱小校を支えた3年生などの構成も類似しています。
 共通していないのは、人間ドラマを描こうとしているので、清陰はそれぞれの家庭やクラスメイトが出てくるシーンが多く。ある意味バトル物のハイキューは、敵の高校の描写が多いです。
 元々、ハイキュー自体がほぼスラムダンクと同様のキャラクター構成になっているため、清陰も同様になっています。監督は安西先生ですね。
・ストーリー
 アニメ版は黒羽が主人公、原作は灰島が主人公。そのせいもあるかもしれないが、基本的に精神的な成長があるのは灰島のみだ。なので、アニメ版の主人公はそういった意味で、ドラマをきちんと作れていない。また、原作にあったのかもしれないが、黒羽のいとこがドラマの鍵っぽいが、中途半端な登場だけして、あまり意味がない。そういう意味でシナリオがちょっと微妙なのだ。
まず、ワンクールだからドラマは黒羽のみにするか、灰島のみにするべきかを絞るべきだ。黒羽なら東京に行くところにいくところはやめていとことの関係とぼっちゃん扱いされている家庭での教育についてもうちょっと内容を絞る。灰島にするなら、黒羽はわき役で灰島にとってどういう印象かという視点を中心に描く。
 そのどちらもできていないので、中途半端でよくわからないものになっている。
・作画
 ハイキューは、6年以上前から現在に続いている人気作だが、それよりも物凄い後退しているため、あまり語るべきところがない。
・最後に
 私は、小説原作のアニメに未来を感じています。今までのアニメは人間ドラマが弱いものが多いため、どうしても見せ場がアクションシーンに偏りがちだ。それに、漫画ファンは原作から少しずれると文句が多く、アニメの持ち味を出しにくくなる。以上からどんどん小説原作から作品が出てほしい。
 三浦しをん原作の風が吹いているはなかなかよかった。バッテリー、舟を編むはもう一歩かな。
もうちょっと分析力を付けたいなあ。では、また


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